贈与税の見直しとその対策

  • 2021.10.13
  • ブログ

こんにちは。 税理士の堀です。

 

マスク生活も長くなってきましたが、ようやく涼しくなり、

つけるのも苦にならなくなってきました。

ワクチンの接種による集団免疫で、コロナも収まってくれるといいですね。 

 

さて今回は「贈与税の見直しとその対策」です。

 

子や孫への生前贈与は、相続税の節税対策としてよく使われています。

毎年110万円の非課税枠があるため、その範囲内で贈与する人が多いかと思います。

 

この生前贈与の節税対策が、今後使えなくなる可能性があります。

令和3年度税制改正大綱では、次の記載がありました(抜本的な改正内容です)

「相続税と贈与税を一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直す」

 

「一体的に捉えて課税」とは、贈与税を相続税に包含させて、相続税一本でまとめて課税するこういうことのようです。 

 

自民党税制調査会長がインタビューで「個人的には欧米などのように一本化することが望ましい。ただ、税制が変わったといって過去の暦年贈与の分を遡及することなく、改正以降の対応になる。」(週刊東洋経済7月31日号)

さらに、続けて、「いきなり変わるのではなく、これから時間をかけて議論していきたい。」ということのようで、すぐに改正されることもないようです。

 

しかし近い将来は、

○贈与税が廃止 ○相続税に一体化

この方向に進む可能性は十分ありと覚悟しておいた方がよいかと思います。

 

令和2年分の贈与税の申告データ(国税庁)

申告件数は48万5千件(うち納税額があるもの 35万4千件)

 

相続税の申告件数は、令和元年分のデータ(国税庁)

申告件数は14万8千件(うち納税額がある件数 11万5千件)

 

贈与税は相続税の約3倍 

相続税の節税対策として、贈与税の申告はかなり活用されておりました。

 

「相続税と贈与税の一体化」は、来年からはないと思いますが、いずれ改正は頭に入れておいた方が良いです。

 

事前にできる対策は、早めに贈与を行うことがポイント。

非課税枠の年110万円にこだわらずに財産が2〜3億円ある人は300万円以上の贈与を目安に贈与をお勧めします。

 

直系尊属からの贈与で以下となります。各贈与額に対してかかる贈与税、さらにカッコ内は税負担率です。

○300万円・・・・・・・19万円( 6.3%)

○500万円・・・48万5千円( 9.7%)

○700万円・・・・・・・88万円(12.6%)

○1000万円・・・177万円(17.7%)

 

相続人が受けた贈与は、相続前3年以内は持ち戻しとなります。贈与から3年経過しないと効果はありません。

その点は、ご注意を。

贈与税の見直しとその対策 1

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