金利上昇の時代に考える「金融機関との付き合い方」
税理士の堀です。
ここ数年で金利環境は大きく変わりました。
3年ほど前、10年物の新発国債の利回りは0.3%前後でしたが、現在は2%台まで上昇しています。
金利が上がると何が起きるかというと、過去に低金利で購入した債券の価格が下がります。
そのため、金融機関が保有している国債などの有価証券を売却すると、大きな売却損が出ることがあります。
実際に2025年3月期の決算では、100億円を超える国債売却損を計上した信用金庫もありました。
こうしたニュースを見ると、「金融機関も決して無関係ではない」と感じます。
中小企業にとって大切な視点
企業経営では、
自社の財務を見ることはもちろん大切ですが、取引金融機関の状況を見ることも重要です。
例えば金融機関の「預貸率」という指標があります。
これは
預金100に対して、どれくらい貸出をしているか
を示すものです。
仮に預貸率が40%程度だとすると、
預金はたくさん集まっている
しかし貸出はそれほど多くない
という状態になります。
この場合、金融機関は余った資金を有価証券で運用していることが多いのです。
そして金利が上昇すると、その運用に影響が出ることがあります。
もちろんすぐに問題になるわけではありませんが、
金融機関の体質によっては
・融資姿勢が慎重になる
・新規融資が出にくくなる
ということも起こり得ます。
だからこそ「資金調達の分散」
こうした環境では、
金融機関との付き合い方も少し工夫することが大切です。
例えば
・メインバンクだけに依存しない
・サブバンクを持つ
・定期的に金融機関と情報交換する
こうしたことが、結果として企業の安定につながります。

信用金庫は全国に240以上ありますが、いずれも上場していないため、一般企業のように詳細な財務情報が広く公開されているわけではありません。
しかし、多くの信用金庫ではホームページで半期ごとの「ディスクロージャー誌」を公開しています。
この資料を見ると、
・貸出を積極的に増やしているのか
・自己資本の強化を優先して慎重な営業をしているのか
といった金融機関の姿勢を、ある程度読み取ることができます。
企業経営では、自社の数字だけでなく、取引している金融機関の状況を知っておくことも大切です。
金融環境が変化する時代だからこそ、こうした情報も参考にしながら、資金調達のあり方を考えていくことが、安定した経営につながるのではないかと思います。
